自然失業率仮説(令和元年度 経済学・経済政策 第9問)
問題
自然失業率仮説に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a インフレと失業の間には、短期的にも長期的にも、トレード・オフの関係が成立する。
b 自然失業率とは、非自発的失業率と自発的失業率の合計である。
c 循環的失業の拡大は、実際のインフレ率を抑制する。
d 政府による総需要拡大策は、長期的にはインフレを加速させる。
〔解答群〕
ア aとb
イ aとd
ウ bとc
エ cとd
解説
a:自然失業率仮説によれば、短期にはインフレと失業のトレードオフが存在するが、長期にはインフレと失業のトレードオフは存在しない。長期的には物価上昇率に関係なく失業率が自然失業率に戻るというのがフリードマンの主張である。よって、正しくない。
b:自然失業率とは完全雇用状態における失業率のことであり、労働需要と労働供給が一致しているため非自発的失業は発生しないはずである。よって、正しくない。
c:循環的失業とは景気変動によって発生する失業である。短期フィリップス曲線において、失業率とインフレ率とはトレードオフの関係にあるため、循環的失業の拡大は実際のインフレ率を抑制する。よって、正しい。
d:自然失業率仮説によれば、政府による総需要拡大策によって物価上昇が起こると短期的に失業率が低下するものの、長期的には自然失業率に戻ることになり、インフレを加速させる。よって、正しい。
解答
エ